これまで物販店や飲食店、簡易宿所やシェアハウス(寄宿舎)、高齢者(老人)福祉施設の用途を法別表第一(い)欄の特殊建築物の3階以上の階に設ける場合には、建物全体を耐火建築物にする必要がありました。
3階以上の階に法別表第一(い)欄の特殊建築物の用途を設ける場合には耐火建築物にする必要があり、用途変更をする場合の足かせとなっている部分がありました。
今回の法改正で、延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下の建物については、これらの用途を3階に持ってきても、原則耐火建築物等にしなくても良くなりました。
用途変更の建築確認申請が必要な規模が100㎡以下から200㎡以下に変更され、
この改正により、「戸建住宅」のほとんどが、確認申請を提出することなく他の用途、例えば物販店舗や飲食店、簡易宿所やシェアハウス(寄宿舎)、高齢者(老人)福祉施設に用途変更することができるようになっています。
国土交通省の調査によれば、9割以上の戸建住宅が3階建て以下かつ200㎡以下となっており、この法改正によって多くの戸建住宅が確認申請不要で用途変更できるようになりました。
戸建住宅ストックの面積分布 国土交通省(平成30年改正建築基準法に関する説明会)資料
この改正により、これまで検査済証未取得により、用途変更の確認申請が出せなかった多くの戸建住宅が、用途変更をできるようになります。
上記2つの法改正により、小規模な建物の特殊建築物への用途変更が、大きな工事や調査を必要とせず、確認申請も不要で行えるようになります。
ですが注意しなければならないのは、確認申請が不要になったからといって、「何でもあり」という訳ではないことを理解することです。
耐火建築物に対する規制は見直されたものの、用途変更する場合には、用途規制や避難/排煙についての規制は遡及対応が必要ですし消防法及び建築基準法にも適合する必要があります。